下垂体・甲状腺・副腎疾患のトランスレーショナル研究
私たちは臨床の発展に貢献するため、基礎と臨床を橋渡しするトランスレーショナル研究を積極的に行っています。内分泌疾患は希少性が高く、臨床研究が困難なことが多々あり、基礎研究は重要です。当科あるいは関連病院で経験された興味深い症例の追究に取り組み、研究成果を報告してきました。
基礎から臨床への橋渡しによる、新たな治療開発も目指しています。脱ヨード酵素の発現を制御する分子を化合物スクリーニングにより探索しました(京都大学 ドラッグディスカバリーセンターとの共同研究)。得られた候補化合物には薬として診療に使用されているものも多く含まれており、当科の診療データから内服前後の変化を観察する新たな手法により、新たな甲状腺機能異常の発見に繋げました。また希少かつ難治性疾患であるクッシング病の新規治療薬を開発するための化合物スクリーニングを行い、発見した候補化合物が疾患モデルマウスに対して薬効を示すことも確認しました。他、原発性アルドステロン症の診断に繋がる新規microRNA探索研究も実施しています。