膵島イメージング法の開発|糖尿病 食事療法 治療 京大病院 栄養内科





研究概要

膵β細胞が選択的に障害される1型糖尿病だけでなく、2型糖尿病においても発症時にすでに膵島量が減少しており、 また発症後のβ細胞減少の進行が治療抵抗性の原因の1つと考えられています。よって超早期診断のために膵β細胞量の低下を検知するための技術開発が求められています。
当科では、糖尿病の超早期診断のために生体内の膵島量を非侵襲的な画像診断法を用いて定量化するための技術、すなわち膵島のイメージング開発を行っています。
生体内の直径50〜500μmの膵島を非侵襲的に定量化するためには、膵β細胞特異的な機能タンパク分子を検索する必要があり、 これまでの当科におけるβ細胞研究を通して得られた知見を元にそれを選定してきました。実際の化合物設計、作製、標識は京都大学薬学研究科病態機能解析学分野(佐治英郎教授)との共同研究で行い、 また小動物用高分解能PETシステムと超高磁場MRI装置を用いた特殊解析は、同科、京都大学放射線診断科(富樫かおり教授)、京都大学情報学研究科(松田哲也教授)との共同研究で行っています。 現在20種類を超える化合物の検討を行っており、既に特許申請も行い、実際に齧歯類を用いた実験系での評価を行っています。将来の臨床応用を目指して実験中です。

本研究の成果は、糖尿病の超早期診断だけでなく、超早期介入による糖尿病発症予防につながる可能性があります。 さらに、糖尿病の発症過程を膵島の量と質の両面から解析することによって、糖尿病の病態に関する新しい知見が得られる可能性も期待されています。