膵島移植に関する研究|糖尿病 食事療法 治療 京大病院 栄養内科





研究概要

膵島移植とは、ドナーの膵臓より分離した膵島を、経皮的に門脈内に留置したカテーテルを通して、点滴によって肝臓内に移植する方法です。 既に確立している膵臓移植より安全性が高く繰り返し施行できるなどの利点がありますが、実際に世界中で臨床応用が広まってきたのは、 2000年にShapiroらにより、Edmontonプロトコールによる膵島移植を受けた7例の1型糖尿病患者がインスリン療法より離脱できたと報告の後です。

当科では、そのEdmontonプロトコールに準じて、京都大学肝胆膵移植外科とともに臨床膵島移植を行っています。 2004年には本邦で初めての膵島移植を施行し、また2005年には世界初の生体膵島移植を施行しました。 さらに2006年には本邦で初めて腎移植後の症例における膵島移植を行っており、本邦の臨床膵島移植をリードしてきました。
一方、膵島移植医療において、内因性インスリン分泌の保持により長期の血糖安定化は得られるものの、 その分泌量は徐々に低下するためにインスリンよりの離脱状態は長期に維持できない問題点が指摘されています。 この問題の解決のためには、現在より移植膵島の生着効率を改善させる必要があるため、当科では齧歯類を用いた膵島移植実験系を用いて様々な検討を行っています。

以上のように、当科では臨床と基礎の両面から膵島移植の発展に力を注いでいます。