患者のみなさん

糖尿病とは?

糖尿病とは、インスリン作用不足により、血液中のブドウ糖濃度が適正な範囲を超えて上昇している状態です。

インスリンの作用不足の原因としては、膵臓のインスリン分泌能力の低下と、インスリンの効きが悪くなる(インスリン抵抗性)の二つがあります。 食生活の欧米化に伴い、糖尿病患者数は年々増え続けています。長期間高血糖が続くと、細小血管症である網膜症、腎症、神経障害や、大血管症である脳卒中、心筋梗塞・狭心症、糖尿病性足病変など、 全身のあらゆる臓器に合併症が起こります。

食事療法、運動療法、薬物治療(内服薬・インスリンなど)によって、適切に血糖値をコントロールし、これらの合併症を予防することが重要です。

京都大学医学部附属病院 糖尿病・内分泌・栄養内科では糖尿病患者様やそのご家族、糖尿病に関心のある方向けにオンライン糖尿病教室を開講しています。

糖尿病とは?

糖尿病では、インスリンという物質が体内で十分につくられない、もしくは作られても働かないために血液中にブドウ糖があふれだすような状況が続きます。適切に治療すれば怖くない病気ですが、長期間放置するとさまざまな合併症を引き起こす恐れがあります。合併症が重症化すると失明や透析導入、足切断により生活の質が著しく損なわれるだけでなく、脳梗塞や心筋梗塞から生命が脅かされることもあります。最近では、糖尿病とがんや認知症、サルコペニア(筋肉が減ってしまう状態)などの関連も指摘されています。こうした合併症や併存疾患は、定期通院で食事や運動について学び、必要に応じて投薬を受ければ予防できますし、定期検査で早期発見、早期治療が可能です。当診療科では、専門医やCDE(糖尿病療養指導士)の資格をもつ管理栄養士や看護師等による糖尿病チームがあなた仕様の最適治療を提供します。なお、当科では家族歴の強い、若年発症糖尿病の遺伝子研究において、わが国屈指の実績があり遺伝子診断もおこなっています。

糖尿病について更に知りたい方は、オンライン糖尿病教室をご参照ください。

内分泌疾患とは?

ホルモンとよばれる物質の異常によって生じる病気を内分泌疾患とよびます。内分泌疾患とひとくくりにいっても、下垂体や甲状腺、副腎などいろいろな臓器で様々なホルモンがつくられており、異常をきたすホルモンによって症状が異なります。例えば、甲状腺は新陳代謝を活発にするホルモンを作っていますが、分泌が低下する橋本病では寒がり、倦怠感、むくみなどが出現し、分泌が亢進するバセドウ病では発汗、体重減少、動悸などの症状が出現します。甲状腺がつくるホルモンの異常は、採血に加えて、甲状腺エコー、シンチグラムなどで診断し、適切に治療することで症状を改善できます。また、下垂体とよばれる場所でつくられるホルモンの異常によって生じる先端巨大症やクッシング病、尿崩症などについても、当診療科の専門医が迅速に診断し、適切な治療を行います。さらに、甲状腺、下垂体、副腎などには小さくてもホルモンを過剰につくる腫瘍が隠れていて、高血圧症や糖尿病の原因になることがあります。当診療科では、こうした腫瘍の正確な局在診断を行い、外科と連携して負担の少ない内視鏡下の手術などによる治療を行っています。

脂質異常症とは?

血液中のコレステロールや中性脂肪などが、一定以上の状態を脂質異常症とよびます。初期には、症状はありませんが十分な治療がなされなければ、動脈硬化がすすみ、ある日突然、心筋梗塞や脳卒中などに襲われる人も少なくありません。脂質異常症を指摘されたら、食事や運動に気をつけると共に、必要に応じて薬物療法を行い、血液中のコレステロールや中性脂肪の値を一定以下に保ちようにしましょう。また、定期的に動脈硬化に関する検査を受けて動脈硬化がすすんでいないことを確認することも大切です。また、遺伝的に脂質異常をきたす方は早期に発見してしっかりとした治療を受けることが重要です。当診療科では、専門知識をもつ医師やスタッフが、それぞれの患者さんに最適な食事療法、運動療法、薬物療法に当たらせていただきます。

肥満症とは?

肥満とは太っている状態をさすことばで、病気を意味するものではありません。しかし、肥満がすすむと、糖尿病や脂質異常症、高血圧症などの生活習慣病の発症リスクが高くなります。肥満にこうした病気を合併した場合、もしくは内臓脂肪がたまりこうした病気を生じるリスクが高い場合を肥満症とよび、医学的な減量治療が必要と考えられています。減量治療は、薬物療法や外科療法がありますが、まずは食事療法、運動療法が基本となります。肥満症を指摘されたら、生活習慣の改善にこころがけ、全身の脂肪組織を減らし、筋肉を増やしましょう。当診療科では、専門知識をもつ医師やスタッフが、それぞれの患者さんに最適な食事療法、運動療法、薬物療法に当たらせていただきます。

サルコペニアとは?

サルコペニアは、筋力や身体能力が低下するために転倒や誤嚥、さらには死亡のリスクの増大をきたします。加齢に加えて、寝たきりや引きこもりなどの運動不足、食欲不振による栄養不足、がんや糖尿病、感染症などの病気が原因となります。骨格筋の量や握力、椅子の立ち座りに要する時間などで診断します。サルコペニアを予防するため、ウォーキングに加えて筋トレ(レジスタンス運動)を行うと共に、適正な量のエネルギー、特にたんぱく質の摂取が重要です。適正な運動や食事は、個々人の状態で異なりますので、専門知識をもつ当診療科の医師やスタッフに相談の上、最適な食事療法、運動療法によりサルコペニアの発症や重症化を予防ください。