当科外来では、糖尿病や内分泌疾患、栄養代謝関連疾患を専門とする担当医が幅広い視野に立った専門的な診療を行っています。

糖尿病

糖尿病治療において重要な食事について、同じフロアにある栄養相談室で、栄養を熟知した管理栄養士が外来担当医師と密に連携して、具体的な献立案を含めご提案をさせていただきます。またフットケアを含め、日常生活の過ごし方に関するアドバイスを、糖尿病看護認定看護師を中心としたスタッフから受けてもらうことができるのも当科の魅力であります。糖尿病の教育や支援に精通したCDE（糖尿病療養指導士）と共に、多職種連携を活かしたチーム医療によって、みなさんが糖尿病の自己管理を継続できるようサポートさせていただきます。手術や化学療法を受けられる場合や妊娠、出産される場合も院内の他科と連携して、最適な医療を提供させていただきます。1型糖尿病を対象として膵島移植やインスリンポンプ導入など先進的な医療にも取り組んでいます。

当科では、かねてから地域のかかりつけ医と緊密に連携して、糖尿病の診療に取り組んでいます。かかりつけ医からご紹介いただいた方には、かかりつけ医への毎月の通院とは別に、３～６か月に一度、当科外来にご来院いただき、食事やフットケアを含めた日々の生活に関するアドバイスはもちろん、治療方針についての相談や合併症の検査を受けていただくこともできます。その際には、かかりつけ医や眼科、歯科での治療状況がわかるように、「糖尿病連携手帳」と「おくすり手帳」を必ずご持参ください。

内分泌疾患

内分泌疾患とひとくくりにいっても、下垂体や甲状腺、副腎などいろいろな臓器で様々なホルモンがつくられており、異常をきたすホルモンによって症状が異なります。例えば、甲状腺は新陳代謝を活発にするホルモンを作っていますが、分泌が低下する橋本病では寒がり、倦怠感、むくみなどが出現し、分泌が亢進するバセドウ病では発汗、体重減少、動悸などの症状が出現します。甲状腺がつくるホルモンの異常は、採血に加えて、甲状腺エコー、シンチグラムなどで診断し、適切に治療することで症状を改善できます。また、下垂体とよばれる場所でつくられるホルモンの異常によって生じる先端巨大症やクッシング病、尿崩症などについても、当診療科の専門医が迅速に診断し、適切な治療を行います。さらに、甲状腺、下垂体、副腎などには小さくてもホルモンを過剰につくる腫瘍が隠れていて、高血圧症や糖尿病の原因になることがあります。当科では、多様な内分泌疾患を多く経験している専門医が多数在籍し、各種検査結果をもとに迅速かつ適切に診断を行い、最新の薬物療法に加え、院内他科と協同して、外科治療や放射線治療を提供します。

肥満症やサルコペニア、脂質異常症をはじめとする栄養代謝疾患

過栄養による肥満症から低栄養によるサルコペニアやフレイルまで幅広く診療を行っています。肥満症に対しては、食事・運動を含め生活習慣改善に向けて教育・支援に加え、肥満症治療薬の導入や消化器外科をはじめとする院内他科・他部門と連携して減量代謝改善手術など先進的な医療も提供しています。サルコペニアやフレイルなどに対して、国内屈指の栄養指導実績を有する疾患栄養治療部とともに適切な栄養治療を提供し、他の診療科での治療成績向上にも尽力しています。