糖尿病の移植・再生医療に関する研究
膵島移植とは、ドナーの膵臓より分離した膵島を、経皮経肝的に門脈内へ点滴して肝臓内に移植する1型糖尿病の治療法です。 膵臓移植のような侵襲性の高い手術を必要とせず、移植そのものは局所麻酔で施行可能で安全性が高く繰り返し施行できるなどの利点があります。
当院は、2004年には本邦で初めての膵島移植を、2005年には世界初の生体ドナーからの膵島移植を、更に2006年には本邦で初めて腎移植後の症例における膵島移植を行いました。また、当院を中心として先進医療として行った臨床試験の結果2020年からは、一般的な糖尿病治療の選択肢として膵島移植が保険収載されるに至りました。
膵島移植においては、ドナー不足、拒絶反応、1型糖尿病の再発などの問題点や移植膵島の長期生着に課題があります。これらの解決のために、私たちは移植膵島の生着効率の改善やヒト多能性幹細胞から分化させた膵島細胞を移植する方法などの様々な検討を行っており、臨床と基礎の両面から膵島移植の発展による糖尿病の根治療法の開発に力を注いでいます。